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日本のメーカーに比べて寡占度が高く、メーカー支配力が強い米国ならではの壁が依然として横たわっている。 本部推奨の商品が少ないことは、Sの会計システムにも大きな影響を与えている。
商品仕入れが集約され、商品の仕入れ代金を本部で一括して取引先に支払うことが出来ないため、各店舗の会計事務を担う人員の削減が出来ない。 日本のSでは商品の発注、メーカーから配送センターに納品、店舗配送までの一連の商品の流れが太いパイプで繋がっている。

このため日本では加盟店の会計処理を手伝う人材は1人あたり2店近くを受け持っているが、米国では4、5店にとどまっている。 この事務処理の煩雑さを解消するには、仕入れ体制を一本化し共同配送の比率を高めるしかないのだ。
稼ぎ頭になるはずのファストフードの販売比率は、破綻直後に約5%だったものが徐々に上昇し、現在では米国本土で15%、ハワイでは20%まで改善しているものの、日本の30%に比べるとまだ少ない。 日本の場合、おにぎり、弁当などの米飯は日本全国どこでも人気メニューになるが、米国では地域性が極めて強い。
ハンバーガー、ピザ、サンドイッチなどの売れ行きが地域によって異なっていた。 人種や所得階層の違いによっても食の嗜好が違うので、試行錯誤を余儀なくされている。
米保険局の衛生管理の規制が日本以上に厳しいことも一因にある。 米国では店舗以外の場所で作ったファストフードは摂氏2、3度以下で商品管理することを義務づけられている。
しかも商品の中に肉が入っていると、4時間以内に販売しなくてはいけない。 店内調理にはこうした規制の網はかからないが、S社が実践している専用工場での製造だと引っかかってしまう。
せっかく味や品質に自信があっても、温度管理の壁が大きく立ちはだかっているのだ。 再建は確実に進んではいるものの日本の「S」のように中小小売店の経営者が加盟店主になるとは限らないため、店舗レベルの向上は並大抵のことではなかった。
中には米国に移民してきたばかりの人たちが「S」の営業権を買い、加盟店主になることもある。 英語もおぽつかず、簡単な足し算、引き算が出来ない人が店を切り盛りすることもあった。

初期投資があまり必要なく日銭が入るコンビニ経営は、移民にとってアメリカでのサクセスストーリーの第一歩だった。 やる気はあるためしゃにむに働いたが、本部の考え方を理解してもらうには大きなハードルとなった。
営業改革と並行して財務体質の改善にも取り組んだ。

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